噂どおり1.5リッターターボを搭載して新型ステップワゴン登場
2015年4月23日 20:37
ホンダ・ステップワゴン(HONDA STP WGN)が新型にスイッチした。第5世代となるホンダの5ナンバーミニバンである。ステップワゴンは歴代“低床・低重心”で、背が高い箱型ミニバンとは思えない軽快なハンドリングと回頭性の良さで“世のお父さん”から支持されてきた。この運動性能の高さは当然ながら新型にも継承されている。
新型の最大のトピックは、何度も噂に上っていた搭載エンジンだ。歴代ステップワゴンは2〜2.4リッターの4気筒エンジンを搭載して、ライバルにはないホンダエンジン搭載車らしい軽快な運動性能を得てきた。が、今回の新型は1.5リッターエンジンだけをラインアップする。いわゆる“ダウンサイジングコンセプト”に基づいたホンダVTEC TUOBOエンジンである。エンジンの「排気量ダウン」を過給器(ターボ)がフォローして「トルクアップ」を図ったエンジンと一般的に言われている。
新型ステップワゴンが搭載する新エンジンもガソリン直噴システムやターボタービンの小型化、そして吸排気バルブの連続可変コントロールなどで、常用する低回転域での太いトルク特性が得られた。そのアウトプットは最高出力150ps(110kW)/5500rpm、最大トルク20.7kg.m(203Nm)/1600~5000rpmだ。ほぼ全域で最大トルクが得られる素晴らしい特性のエンジンだ。
組み合わせるトランスミッションは低回転域のトルクを生かすために新設計したCVTで、エンジンを過剰に回さずにスムーズで力強い走りを実現した。このエンジンとミッションの組み合わせは省燃費にも貢献し、新型のJC08モード燃費は17.0km~15.4km/リッター(FF車)となった。なお、4WD車でも15.4km~15.0km/リッターとしてFF車に遜色ないレベルに達している。なお、1.5リッターエンジンの採用で自動車税も下がる。
インテリアは歴代ステップワゴンの真骨頂である“クラス最大級の室内空間”が大きな武器。新型は大開口のテールゲートに独自機構のサブドアを設置した。3列目シートを左右独立して床下収納できるマジックシートとサブドアを組み合わせて、テールゲートを開けずに3rdシートにアプローチできる。もちろん小さめの荷物などの出し入れも簡単だ。そのマジックシートは車外だけでなく車内からでも簡単に操作でき、ミニバンのシートアレンジを大きく進化させた。
安全装備に特段の不足はない。EBD+ABS(電子制御制動力配分システム付きABS)、デュアルエアバッグ、VSA(ヴィークル・スタビリティ・アシスト/車両共同安定化制御システム)などは全車標準装備だ。そして新型には、いわゆる“自動ブレーキ”を含んだ安全運転支援システム「Honda SENSING」をオプションで用意した。
これは、ミリ波レーダーと単眼カメラを融合した高精度な検知機能を持つ衝突軽減ブレーキ〈CMBS〉。前走車や対向車、歩行者にも作動し、対向車の場合にはステアリング振動による体感警報などによって回避操作を促す。適切な車間距離を保つようにアクセルやブレーキの制御を行い、高速道路などにおける運転負荷軽減を図るACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)。車両が走行車線の中央に沿って走行できるようにステアリング操作を支援し、高速道路などでの運転負荷軽減を図り、車線を外れそうになる場合、マルチインフォメーション・ディスプレイ内の表示とステアリング振動による警告を行なうLKAS(車線維持支援システム)、加えて車両が車線を外れそうな場合に、ステアリング振動とマルチインフォメーション・ディスプレイ内の表示で警告を行なうとともに、車線内へ車両を戻すようにステアリングを制御し、逸脱量が大きいと予測された場合は、ブレーキも併用して逸脱しないように支援する「路外逸脱抑制機能」などを組み合わせドライバー支援機能である。
新型ステップワゴンのモデルラインアップはノーブルな「STP WGN」とアグレッシブでスポーティな意匠の「SPADA」で、全車定員は7名。FFと4WDをラインアップする。また、それぞれに福祉車両も当初から揃っているのも特徴。価格は「STP WGN」228.8~258.8万円(FF車)、「SPADA」は272.5~288.7万円(FF車)で4WDモデルは25万円ほど高い。ホンダはこの布陣でトヨタ・ノア3兄弟に挑む。(編集担当:吉田恒)