3月の貿易収支は2年9カ月ぶり黒字―米国向け自動車輸出などが増加
2015年4月22日 21:34
財務省が22日発表した3月の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2293億円の黒字となった。黒字転換は2012年6月以来2年9カ月ぶりである。高水準の輸入が続いていた原粗油や液化天然ガスなどの発電燃料が減少したことに加え、米国向け自動車輸出などが増加したことが要因である。輸出は7カ月連続して増加している。同月の為替レートは1ドル119.86円(平均)と、前年同月比17.2%の円安で、価格競争力が高まった。
貿易統計を品目別に見ると、輸出では、自動車が前年同月比10.5%、半導体等電子部品が同12.4%増、金属加工機械同30.5%とそれぞれ増加した。輸入は、原粗油が同50.7%、石油製品同38.3%、液化天然ガス同12.3%といずれも減少した。
地域別の動向は、米国向け輸出が同21.3%増と、7カ月連続の増加となった。自動車、原動機、建設用・鉱山用機械などが増えた。輸入は液化天然ガス、航空機類、医薬品などが増加した。
EU向けは輸出が同9.1%増加、輸入は同5.3%減少した。アジア向けでは、輸出が同6.7%増加、輸入が同10.7%減少した。中国向けは輸出が同3.9%増加し、輸入が同19.6%減少した。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)