宅配BOX、はこぽす、コンビニ受取…配送品をどう受け取る?
2015年4月22日 08:46
現代では、わざわざ店舗に出向かなくてもスマホを片手に何でも注文できる。商品が届くのを自宅で待つのももどかしい時代になった。そんな中、より進化した配送受け取りの形を目指して、宅配業界や小売業界が新たな取り組みに着手している。
宅配業における大きな問題の1つに、不在時の再配達業務がある。留守のため荷物を受け取れない場合、その再配送にかかるコストは、ネット通販の拡大した今、宅配業者を圧迫する負担となっている。そんなとき、戸外に専用のボックスを設け、届けに来たスタッフの手でそこに商品を入れておいてもらう、それが、いま広がりつつある宅配ボックスを利用したサービスだ。
幾つかの商品が出ているが、中には次世代のオムニチャネル普及を見越した高機能なものも存在する。エスキュービズム・テクノロジーは、サイバーエージェント<4751>と提携し、スマホアプリで扉をロック、荷物の配達完了をメールで送信、パスワード入力でロックを解除、さらにネット上でボックスの開閉履歴を一元管理できる「スマート宅配BOX」を開発、昨年の11月から実証実験を開始している。
一方、大手ECサイトや配送業者もあらゆる新手法を模索している。4月9日より楽天<4755>と日本郵便による商品受け取りサービス、「はこぽす」がスタートした。これは、楽天市場で注文した商品が、郵便局内に設置された専用ロッカーで好きな時間帯に受け取れるというもの。商品の注文時に都合のよい郵便局を指定すると、到着とパスワードを知らせるメールが届き、そのパスワードをロッカー付属のキーボードで入力して商品を取り出せる仕組みだ。現在、新宿、渋谷など都内25ヶ所の局で対応している。
また、佐川急便はコンビニ大手のローソン<2651>と提携し、ローソン店頭で佐川配送の荷物を受け取れるシステムを開始の予定。それだけでなく、ローソンで販売する弁当などを自宅へ届けたり、そのついでにクリーニングや水回りのトラブル対応など、いわゆる御用聞きまで手掛ける「SGローソン マチの暮らしサポート」と呼ばれるサービスを提供するという。ただし、店舗から半径500メートル以内の場所に限られる。
スマホやPCから簡単にネット注文が可能になった今、店舗から商品やサービスが顧客に届くまでの道のり「ラストワンマイル」をいかに効率よく埋めるかが、今後のビジネスの勝敗を握る鍵となる。この方面のきめ細かいシステム化をいち早く完成させた企業が、次世代のオムニチャネル市場の勝者となることは間違いない。(編集担当:久保田雄城)