東日本大震災後、めまい患者が2年にわたって増加していたことが明らかに―東北大

2015年4月19日 14:08

 東北大学の日高浩史准教授・長谷川純医師らのグループは、福島県沿岸地域における「めまい」をはじめとする神経耳科疾患が、東日本大震災の後約2年にわたり増加していることを明らかにした。

 2011年3月11日の東日本大地震の前後、公立相馬病院は福島県沿岸地域近隣で耳鼻咽喉科医が常勤している唯一の病院であったため、めまいをはじめとする神経耳科疾患の患者が集中する病院となっていた。

 公立相馬病院における患者数の総数は、震災前1年間と震災後2年間で変化がなかった。しかし、耳鼻咽喉科の疾患別で患者の種類を調べたところ、メニエール病をはじめとするめまい疾患の患者数が震災後に有意に増加していること、そして、めまい患者の4.8%はうつや他の精神疾患を合併していることが分かった。一方、鼻出血やアレルギー性鼻炎などの他の疾患の患者数は明らかな増減は見られなかった。

 今後は、被災地の長期的ケアの重要性を提議し、災害医療の発展に貢献することが期待される。

 なお、この内容は4月7日付の「PLOS ONE」に掲載された。論文タイトルは、「Change in and Long-Term Investigation of Neuro-Otologic Disorders in Disaster-Stricken Fukushima Prefecture: Retrospective Cohort Study before and after the Great East Japan Earthquake」。

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