NYの視点:ドラギECB総裁はQE完全な実施を公約、ユーロの圧力に
2015年4月16日 07:42
*07:44JST NYの視点:ドラギECB総裁はQE完全な実施を公約、ユーロの圧力に
欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り3つの金利(政策金利:0.05%、中銀預金金利:-0.2%、限界貸出金利:0.3%)を全て据え置くことを決定した。欧州中央銀行(ECB)は各月600億ユーロ規模の資産購入を少なくとも2016年9月まで実施する量的緩和(QE)を3月に開始した。
市場の一部では「ユーロ圏の経済が回復に向かっている」との見方から、早くもQE解消の思惑まで浮上していた。実際、国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済の見通しで2015年の米国成長見通しを下方修正する一方、ユーロ圏の成長見通しを上方修正したばかり。また、購入の対象となる債券が不足するとの見方も根強い。
これを受けて、ドラギECB総裁は会合後の記者会見で、「経済は2014年末以降、勢いを増した」「経済見通しの下方リスクは低下した」との見通しを示したもののユーロ圏の景気回復には「量的緩和(QE)を完全に実施」することの重要さを何度も強調。QEを持続的なインフレ調整が見られるまで継続する方針を再表明した。また、必要とあればQE調整も辞さない構えを見せた。さらに、「購入の対象となる債券不足との懸念は時期尚早」と、市場の思惑を否定した。ドラギECB総裁の発言は、「欧州中央銀行(ECB)の量的緩和(QE)はまだ始まったばかり」との見方を再確認。今後もユーロの圧力となる。《KO》