NYの視点:米4-6月の消費に大幅な改善期待広がる
2015年4月15日 07:35
*07:35JST NYの視点:米4-6月の消費に大幅な改善期待広がる
米商務省が発表した3月の小売売上高は前月比0.9%増と、4カ月ぶりの増加に改善したものの伸びは市場予想の1.0%増に届かなかった。自動車販売は2.7%増と、1年ぶりの高い伸びを示したが、ガソリンステーションでの販売は鈍かった。また、変動の激しい自動車を除いた小売は前月比0.4%増と4カ月ぶりの増加で、昨年6月以来の大幅な伸びを記録。しかし、市場予想の0.7%増は下回った。国内総生産(GDP)の算出に使用される自動車、ガソリンステーション、建築材などの販売を除外したコアの小売は0.3%増とやはり4カ月ぶりの増加。2月分は横ばいから0.2%減へ下方修正された。
2月の企業在庫は前月比0.3%増と、市場予想0.2%増を上回り昨年7月来で最大の伸びとなった。企業売上高は横ばい。売上・在庫比率は1月に続き1.36とリーマン危機以降で最高を維持。先日発表された2月の卸売売上高・在庫比率も1.29とリーマン危機以降で最高となった。売上がかなり落ち込んだ証拠で、米国経済が景気後退(リセッション)に陥る可能性を指摘するエコノミストもいる。
予想を下振れた米国の小売売上高に失望感も強いが、大半のエコノミストは天候が回復する4-6月期に「消費が勢いを増す」と期待している。ドイツ銀のエコノミストは1-3月期の小売売上高の結果は「国内総生産(GDP)に若干マイナスに寄与する」と見ているが4-6月期には労働市場の改善や原油安を受けた回復を期待。また、政府が今月末に発表する年間の修正で、小売売上高が大幅に上方修正される可能性を指摘した。大半のエコノミストは1-3月期国内総生産(GDP)で平均1.2%成長を予想。4-6月期は依然3.5%と強い成長を見込んでいる。《KO》