京大、パーキンソン病発症メカニズムの一部を解明

2015年4月11日 20:00

 京都大学の髙橋良輔医学研究科教授らの研究グループは、パーキンソン病の発症に関わる遺伝子変異メダカを作製し、パーキンソン病の発症機序の一端を解明した。

 パーキンソン病は、徐々に運動機能障害が進行する原因不明の神経変性疾患で、日本には約15万人の患者がいると言われている。最近、ゴーシェ病の原因遺伝子とされているGBAの変異が、パーキンソン病発症の最も強い危険因子であることが分かってきた。

 今回の研究では、TILLINGライブラリーをスクリーニングすることによりGBA欠失メダカを作製し、病態の進行を観察した。その結果、パーキンソン病患者で特徴的に見られるαシヌクレインの蓄積が確認され、GBA欠失メダカの脳にはオートファゴソームが蓄積した軸索の腫脹が散見され、同部位にαシヌクレインの蓄積が起こっていることが分かった。さらに、神経細胞においてオートファジーの基質であるp62の蓄積、ライソソーム酵素であるカテプシンDの染色性の低下とライソソームの形態異常が観察され、オートファジー・ライソソーム系の障害が認められた。

 研究メンバーは「パーキンソン病をはじめ、神経変性疾患をモデル動物で再現することは簡単ではありません。今回の研究はパーキンソン病の一端が再現・解明できただけでなく、メダカが神経変性疾患の解明と治療法の開発に貢献できる可能性を示したという点で意義深いと言えます」とコメントしている。

 なお、この内容は「PLOS Genetics」で公開された。

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