NYの視点:卸売売上高や製造業受注の低迷で米国経済に悲観的な見解も
2015年4月10日 07:36
*07:36JST NYの視点:卸売売上高や製造業受注の低迷で米国経済に悲観的な見解も
米商務省が発表した2月卸売売上高は前月比0.2%減と、予想外に3か月連続のマイナスとなった。6か月連続でマイナスとなった景気後退時以降で最長を記録。1月分は従来の3.1%減から3.6%減にさらに下方修正され、景気後退時となる2009年3月以来で最低となった。売り上げが減少したため卸売り在庫は逆に増加。実際、売上高在庫比率は1.29とリーマン危機以降で最高となっている。
卸売売上高は前年比でも1.5%減と1月に続き2ヶ月連続のマイナス。卸売売上高が前年比でもマイナスが連続した場合、米国経済は必ず景気後退(リセッション)に陥るとの統計がある。2月の製造業受注も前年比で4.3%減とリーマン危機以降で最大の下落率を記録したこともリセッションへの懸念を強める要因となっている。
一方で、ダドリーNY連銀総裁やパウエルFRB理事は6月の利上げの可能性も除外しない見解を示している。また、米商務省が発表した2月の卸売在庫の増加を受けてバークレイズ銀のエコノミストは1-3月期の国内総生産(GDP)見通しを1%成長から1.2%成長へ引き上げた。《KO》