富士ゼロックス、4K映像・音声データとLANデータを同時伝送できる光伝送器を発売
2015年4月8日 09:48
富士ゼロックスは7日、4K映像データ・音声データ・LANデータを同時に、800mの長距離にわたって伝送可能な「4K HDMI・IP光伝送器」を世界で初めて開発し、5月15日から発売すると発表した。価格は、送信機、受信機各59万8,000円(税抜)。
「4K」映像は、フルハイビジョン(2K)の4倍の高解像度があるが、データ量が多く音声データも含めて、現在の伝送可能距離は極めて短い。また、データを圧縮すると映像遅延が発生しリアルタイム性が損なわれるなどの課題がある。
今回、開発した「4K HDMI・IP光伝送器」は高精細な映像データを圧縮することなく光信号に変換し光ケーブルで伝送する方式で、30フレーム/秒の4K映像データを1フレームのタイムラグもなく伝送できる。これは、同社が複合機向けに独自開発した面発光型半導体レーザー素子VCSEL(ヴィクセル)技術を応用した光ファイバーによるデータ伝送技術によって実現された。
4K映像データ・音声データと同時にLANデータ(1000BASE-T)も通信可能な世界初の光伝送器で、これにより映像機器とネットワーク対応機器を組み合わせたシステム構築が光ケーブル1本で可能となった。
デジタルサイネージでの活用では、双方向コミュニケーションのためのタッチパネル操作などに必要な制御信号を4K映像データと同時に通信できることで、LANデータ通信のための配線コストも削減できる。用途としては、駅や空港、街頭のデジタルサイネージをはじめ、工場内の監視システム、教育現場でのタブレットを活用したアクティブラーニング、病院での手術映像の院内共有などが想定される。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る)