デジタル市場は「法を守った者負け」でよいのか
2015年4月7日 13:35
あるAnonymous Coward 曰く、 ハーバードビジネスレビューにて、かつての動画権利保持者ViacomとYouTubeの裁判を挙げ、「法を順守していては他社に敗れる」というメンタリティについて言及されている。
GoogleVideoなどでは、動画が投稿されるたびに従業員が権利侵害チェックしていたが、裁判で明らかになった電子メールによるとYouTubeでは、共同設立者の一人が著作権侵害を黙認していた。その経営判断は、権利侵害動画を削除した場合、YouTubeでは視聴回数が80%減少するという自社分析に基づいていた。
これはスタートアップ企業の競争の根源にかかわる問題であったから、YouTubeは権利侵害を黙認し、初期に設置されていた「著作権保護されたコンテンツを通報する」ボタンを削除し、YouTubeが「魅力的な買収対象」となるような経営判断を行っていたと裁判で明らかになった。
しかし裁判では、実質的にYoutubeは賠償金を支払ずに済む結果となったため、ハーバードビジネスレビュー誌は、ネット事業の起業家らは「自分たちがやらなくても他社がやる」と考え、市場全体が「法を守ったら負け」という姿勢に前のめりになっていくのではないかと論じている。
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