直行便開設でラオス観光ブームは訪れるのか?

2015年3月25日 11:55

 ラオスには、古都ルアンパバーン、クメール時代の大遺跡「ワット・プー」などの観光資源があるが、日本人観光客はそれほど多くなかった。

 ところが、3月6日に安倍晋三首相がラオスのトンシン首相と会談して共同声明を発表、観光交流の促進を打ち出した。両国を結ぶ直行便の開設に向けた協議の促進でも一致、共同記者発表で安倍首相は「日本とラオスが直行便で結ばれるのも近い」と表明している。いよいよ、ラオス観光ブームの到来か。

 1995年にルアンパバーンがユネスコの世界遺産に認定されて以来、同国を訪れる観光客は急増した。ルアンパバーンはランサン王国(1353~1975)の王都で、カーン川とメコン川の合流地点に位置する緑豊かな町。伝統的な寺院とフランス統治時代の建築とが融合する。市内にある「プーシーの丘」からは、町並みが一望でき、ここから眺めるメコン川の夕陽はまさに絶景だ。

 今年オーストラリアの旅行サイトが世界中で最もロマンティックな結婚式ができるスポットを発表した。このロマンティック・ウェディングの場所として、フランスのパリ、ケニアのマサイマラ、モナコのモンテカルロに続いて、ルアンパバーンが4位になったのもうなずける。

 90年にわずか1万4400人だった外国人旅行者数は95年に34万人に急増した。そして、2014年の外国人旅行者数は前年比10%増の415万8719人に達した。

 14年にラオスを訪れた旅行者数を国別に見ると、トップはタイで204万3761人だった。これに、ベトナム(110万8332人)、中国(42万2440人)と続く。中国人旅行者は前年から72%も増している。これに対して、日本からは8%減の4万4877人にとどまっている。

 ラオスは、20年までに年間観光収入を10億ドルに拡大しようとしている。そのために、ルアンパバーンなどの人気観光地の施設整備を進めるとともに、交通利便性を向上するために道路建設を加速しようとしている。

 ラオスとしては、直行便開設で日本からの観光客を一気に増やしたいところだ。(編集担当:久保田雄城)

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