【中国の視点】自ら首を絞めたブラジル、今年はマイナス成長の可能性大

2015年3月25日 08:10


*08:10JST 【中国の視点】自ら首を絞めたブラジル、今年はマイナス成長の可能性大
ブラジルは今年マイナス成長に陥る公算が大きい。ブラジル中央銀行がエコノミスト約100人を対象に実施した最新の週次景気動向調査では、2015年のブラジルの成長率予想がマイナス0.83%まで下方修正された。また、通貨レアル安の進行に伴う輸入インフレの加速も国民生活を貧困化させている。レアルは直近6カ月、米ドルに対して30%下落している。

ほかに、過去最大のスキャンダルとも言われている国営石油会社ペトロブラスの汚職問題で上下両院議長を含む多数政治家や企業家が巻き込まれている。同社の汚職額は100億米ドル以上になるとの予測。こうした状況の中で、ブラジル全土で100万人以上の市民は今月15日、ルセフ大統領の弾劾を求めるデモが行われた。

さらに、経常赤字と財政赤字が同時に拡大しているブラジルにとって外貨の獲得が不可欠だと指摘されている。市場関係者は、ブラジル中央銀行が追加利上げに踏み切る必要があるとみている。なお、ブラジル中銀は今月5日、政策金利であるセリック金利を0.5%引き上げ、12.75%にする方針を示した。

一方、与党である労働者党はブラジル経済の低迷要因について、外需の縮小や鉄鉱石など商品価格の下落など外部環境に責任を押し付けている。

ただ、中国の専門家は、ブラジル経済の低迷について、ブラジル自身に問題があると指摘。資源輸出に依存する体質を早い段階から改善せず、汚職の横行が同国経済を弱くさせていると分析した。また、農産品輸出大国でもあるブラジルにとって80年ぶりの干ばつも深刻なダメージを受けている。外国メディアはこのほど、ブラジル経済が来年も縮小すると予測し、予想通りなら1931年以来で最悪な状況になる可能性があると報じた。《ZN》

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