NYの視点:良好なインフレ&住宅指標にも慎重な見方
2015年3月25日 07:52
*07:52JST NYの視点:良好なインフレ&住宅指標にも慎重な見方
米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ指標として、PCE(個人消費支出)を最も重要視している。消費者物価指数(CPI)は2番目に重要視しているインフレ指標。米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げに向けたフォワードガイダンスは1)労働市場の一段の改善と、2)インフレが中期的に目標である2%に向けて上昇する自信、となっている。
米労働省が発表した米2月消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇と、市場予想通り4カ月ぶりのプラスに改善し2014年5月来で最高となった。前年比でも横ばいと、予想外に1月の0.1%低下から上昇した。ガソリン価格が反発し50ドル前後で安定したためと見られている。また、変動の激しい燃料や食料品を除いたコア指数は前月比0.2%上昇と、低下予想に反し1月と同水準にとどまった。前年比では1.7%上昇と、予想通り1月の1.6%上昇から一段と上昇した。インフレが安定している兆候は、「インフレが目標値に達する」とのFOMCメンバーの自信につながり年内の利上げを支持する結果になると見られる。
更に、米商務省が発表した2月新築住宅販売件数は前月比7.8%増の53.9万戸と減少予想に反して1月から増加し、2008年2月来で最高となった。1月分も48.1万戸から50.0万戸へ上方修正された。新築住宅は住宅市場全体に占める割合は小さいが契約時点での統計となるため住宅市場の先行指標として注目される。住宅販売がピークを迎える春先の住宅市場の回復に期待が膨らんだ。
一方で、1,2月に寒波に覆われた米国北東部での2月の住宅販売が4.3万戸と1月の1.7万戸から前月比で153%増を記録したため、本日の強い結果がほぼ季節的要因によるものだとの冷めた見方も多い。TD証券のストラティジストなど、予想を上振れた消費者物価指数にもFRBは見通しを変えないだろうと慎重な見方が根強い。《KO》