NYの視点:フィッシャー米FRB副議長はドルの価値を市場に任せる方針

2015年3月24日 07:12


*07:14JST NYの視点:フィッシャー米FRB副議長はドルの価値を市場に任せる方針

フィッシャー米FRB副議長は連邦公開市場委員会(FOMC)以降初めての講演で、年内の利上げが正当化される可能性があると指摘した。労働市場の改善で「利上げは適切」と説明。ただ、6月になるか9月になるか、またはそれ以降になるか「時期は指標次第」と加えた。利上げのペースも平坦ではないと指摘。利上げ後も「ultraexpansion過激な緩和策」から「extreme expansionかなりの緩和策」に変更されるだけだと言及。利上げ後も長期間緩和的な政策が続くことになると市場の警戒感を鎮静化することに努めた。

また、ドル高に関し、フィッシャー米FRB副議長は「ドル高は米国経済の強さを反映」「ドル高の影響は欧州中央銀行(ECB)のQEによる影響と相殺」との見解で、「FRBは為替相場を基本に政策を決定したことはない」とドル高によりFRBが金融政策を調整することはないことを強調した。また、「ドルが永遠に上昇することはない」「為替相場には行き過ぎる傾向がある」としており、現在のドル高が行き過ぎた場合には市場が自己調整すると見ており、ドル高に対処する政策を試みる意向は見せなかった。連邦公開市場委員会(FOMC)の声明やイエレンFRB議長が「輸出に害をあたえ、輸入物価やインフレを引き下げる」とドル高に言及したため、ドル高を受けて連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを遅らせるのではとの見方も一部で浮上。

FOMCは年内に速やかにゼロ金利政策を解除したいことは明確。ただ、インフレは依然低く、経済への不透明感も依然強いため、FOMCが最初の利上げで0.25%ではなく0.125%と小幅な利上げにとどめるとの見方も浮上。ドルの上昇は当面緩やかなペースにとどまりそうだ。《KO》

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