NTTとNTT Com、400ギガビット伝送の実証実験に成功

2015年3月20日 10:45

 日本電信電話(NTT)とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は19日、安定した長距離伝送を確認したと発表した。通信品質の劣化要因となりうる高い偏波モード分散を有する敷設分散シフトファイバケーブルで構成された既設100G光伝送網に、1チャネルあたり400Gの光信号の増設・減設を実施した。

 実験にあたり、NTTは、光の位相と振幅の両方に情報を重畳してさらに多値化を図る16QAM変調信号とサブキャリア多重を適用した400G光送受信系を構築した。これにより、既設100G光伝送網における光回線容量を4倍に拡張することが可能となる。NTT Comは400G光伝送技術の実運用を考慮し、高い偏波モード分散および偏波変動を有するファイバ伝送路環境を同社の商用敷設分散シフトファイバケーブルを用いて構築した。

実験では、400G光信号および100G光信号を最大12波多重し、混在波長多重伝送の後、100G光信号および400G光信号の伝送品質を測定した。また、400G光信号の増設・減設時における100G光信号の伝送品質の測定もあわせて実施した。

 その結果、既設の100G光伝送システムと同等の波長間隔において、既設100G光信号の400G光信号による伝送品質の影響ならびに、400G光信号の100G光信号による伝送品質の影響はそれぞれないことを実験的に確認した。特に影響が懸念される400G波長増設・減設時においても、他の光信号への影響がないことを確認した。

 また、400G光信号の光ファイバ伝送に伴う波形歪みを補償するため、回路実装可能なデジタル逆伝搬信号処理技術を適用することで、非線形光学効果による波形劣化の影響を低減するとともに、高性能な誤り訂正技術を併用することで、同社従来技術と比較して約2倍の高性能化を確認した。これは、高い偏波モード分散を有するフィールドトライアル実験環境下において、750km以上の伝送が可能なことを示すという。

今後、400Gおよび400G超の光伝送技術をさらに拡張発展するとともに、400GbEなどの超高速イーサネット信号の収容や大容量光伝送網の高度化技術の確立と実用化開発に向け研究開発を推進するとともに、その成果を活かした大容量光伝送システムと高性能な光ファイバ伝送路を含めた経済的かつ大容量なネットワークの実現を推進していく。併せて、国内外の機関とも連携して、成果のグローバル展開を目指す。

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