2月の貿易赤字は前年比47%減 自動車輸出が伸び、原油安で輸入が減少
2015年3月18日 21:30
財務省が18日発表した2月の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、4246億円の赤字で、32カ月連続の赤字となった。しかし、赤字額は前年比47.3%の大幅な減少となった。これは、円安によって自動車などの輸出が伸びたことに加え、原油価格の下落で、輸入額が縮小したことによる。
同月の輸出額は5兆9411億円で、前年同月比2.4%のプラスとなった。輸出額は6カ月連続の増加である。自動車が同8.8%増となった他、半導体等の電子部品が10.1%増、金属加工機が14.0%増などが要因である。
一方、輸入額は6兆3657億円で同3.6%減少した。輸入額の減少は2カ月連続である。原粗油が同54.8%の大幅減となった他、石油製品が40.6%、液化石油ガスが38.8%とそれぞれ減少したことによる。
地域別では、米国向けが自動車、建設・鉱山用機械などが増加し、貿易収支は6317億円の黒字となった。黒字幅は同30.9%増と、6カ月連続の増加である。
EU向けは、自動車などの輸出が伸びた半面、航空機輸入なども大幅に伸びたことから貿易収支は23億円の赤字となった。
アジア向けは、貿易収支が1500億円の赤字となった。とくに中国向けの収支は7689億円の赤字である。自動車輸出が大幅に減少したほか、衣類や金属製品の輸入が増えたことが要因である。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)