中国:輸入車が需給ともに低調、在庫消化が15年課題に

2015年3月17日 13:33


*13:34JST 中国:輸入車が需給ともに低調、在庫消化が15年課題に
中国の輸入車市場が低迷している。供給、需要ともに落ち込んでいて、こうした状況は直近10年来で初めてという。足元の在庫は、供給過多がみられた2012年を上回る規模へと膨張している。業界関係者は、「在庫調整に要する期間は、12年当時の6~9カ月よりも長引く」との見方。「15年は名実ともに“輸入車在庫の調整年”になる」と悲観した。通年にわたって在庫消化が業界全体の課題になると予想している。中国経済網が17日付で伝えた。
国機汽車股フン有限公司・市場マーケティングの王存シニアマネージャーによると、今年1月の国内輸入車供給は、前年同月比13.0%減の9万8300台に低迷。需要も20.8%減の7万9500台にとどまり、需給の双方が大幅に落ち込んだ。中国の輸入車市場は12年にも在庫圧力の高まりがみられたが、それは供給過多によって引き起こされたもの。需要は旺盛だった。足元の輸入車市場は、これまでで最も厳しい状況に立たされているという。
一方、先月15日から上海自由貿易区で試行が始まった並行輸入車販売に関しても、事前予想に反して伸び悩みが目立つ。1月は輸入車市場全体に占める並行輸入車販売シェアが7.3%に低迷し、前年同月に比べて0.4ポイント落ち込んだ。
並行輸入車不振の背景として、海外高級車の中国現地生産化があるといわれる。並行輸入の価格メリットを削いでいるため。たとえば並行輸入車の主力モデルとして期待されているトヨタ「ランドクルーザープラド」では、「プラド2700」の中国現地生産車が3月中に発売される。予想価格は36万~42万人民元(約698万~814万円)。並行輸入車とさほど変わらない水準になる見込みという。
王シニアマネージャーは、「価格に強みがなければ、並行輸入車のメリットはなくなる。今年の自動車並行輸入台数は、前年を上回ることはないだろう」と分析した。

【亜州IR】《ZN》

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