【中国の視点】景気後退と腐敗横行のブラジル、反政府抗議行動が広がる
2015年3月17日 08:01
*08:01JST 【中国の視点】景気後退と腐敗横行のブラジル、反政府抗議行動が広がる
ブラジルの一部都市で、労働組合が汚職や年金削減、経済的困窮の拡大に対する抗議行動を開始している。全土で100万人を超える市民は15日、ルセフ大統領の弾劾を求めるデモが行われた。
ブラジル最高裁は今月6日、国営石油会社ペトロブラスをめぐる汚職疑惑で、上下両院議長を含む多数の政治家への取り調べを承認。ただ、ルセフ大統領は対象外となった。一方、大統領は2003-10年の間にペトロブラスの会長を務めており、腐敗行為の発生時期と重ねたにも関わらず、大統領は汚職について、気づかなかったと回答したことが背景にある。
中国の専門家は、大規模なデモが発生した背景について、今回の汚職金額が数十億米ドルに上るという金額の大きさに関係しているほか、ブラジルの景気後退も一因だと指摘した。ブラジルの企業景況感指数と消費者信頼感指数がともに過去最低水準まで低下しているほか、通貨レアルが米ドルに対して直近6カ月で40%下落した。また、一度は落ち着きを見せたインフレ率も2月に再び7.7%まで加速し、今年の成長率がマイナス1%まで落ち込むと予測されている。
また、ブラジル政府が同国債の格下げを避けるため、緊縮財政に踏み切ったことも同国の景気回復の足かせになっていると指摘された。なお、最新調査によると、75%の国民はルセフ大統領が汚職のことを知っていたと回答した。《ZN》