NYの視点:FOMCで相場混乱も

2015年3月17日 07:01


*07:04JST NYの視点:FOMCで相場混乱も

米連邦準備制度理事会(FRB)は17-18日にワシントンで連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。政策金利であるFF金利誘導目標の変更は予想されていない。しかし、この会合では、スタッフの経済、インフレ、金利予測が発表されるほか、イエレンFRB議長の会見が予定されており利上げ開始時期を探るうえで「重要な会合」と注目されている。大半のエコノミストは今回のFOMCで金利のフォワードガイダンスを変更し引き締めバイアスを強調する一方で、成長やインフレ見通しを引き下げると見ている。このため、相場が混乱する可能性も警戒されている。イエレンFRB議長は会見で、成長や雇用への自信を再表明すると見られている。

FOMCは金利のフォワードガイダンスで「辛抱強くpatient」の文言を削除し、6月会合での利上げ開始を選択肢として残し引き締めバイアスを強調する可能性が強い。また、金融政策の正常化に向けたペースは引き続き緩やかで経済指標次第であることが繰り返される見通し。スタッフ予測(Summary of Economic Projections(SEP))では2015年の国内総生産(GDP)の成長やインフレ見通しが下方修正される可能性が指摘されている。また、経済の評価で成長ペースが「solid堅調」から「moderate緩やか」に下方修正される可能性も一部で指摘されている。

2015-2017年の失業率が下方修正され労働市場の評価が上方修正されるほか、低インフレが「一時的」でインフレが中期的な目標である2%に向けて上昇するとの自信が強まると見られていることは早期の利上げ観測を支持する。しかし、失業率の低下や賃金の上昇が6月の利上げを示唆しているものの、ドル高に加えてコアインフレが低迷していることは利上げの先送り観測を強めることになる。《KO》

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