「時の翁」が握るNTPの運命

2015年3月15日 17:04

ネットワークに接続されたコンピューターの時刻を同期させるNetwork Time Protocol(NTP)が4月で30周年を迎える。NTPは現在使用されているインターネットプロトコルの中で最も古いもののひとつで重要度も高いが、その一方で重大な岐路に立たされているとのこと(InformationWeekの記事本家/.)。

NTPの重要性は増しているにも関わらず、インフラストラクチャーに深く埋もれているために注目度は低下している。これに伴ってボランティア貢献者は減少しており、資金援助でも確実なものはないそうだ。そのため、資金面・運営面ともに大半がプロジェクトマネージャーのHarlan Stenn氏に依存している状態だという。この3年半ほど、Stenn氏はメールへの返信やパッチの受付、複数のOSで動作させるためのパッチのリライト、新規リリースの準備、NTPメーリングリストの管理など、週に100時間以上の作業を行っている。Stenn氏は自身のコンサルティング会社で不定期に仕事をしているが、4月までに現在よりも多くの資金援助が得られなければ、継続的な仕事を探す必要があるとしている。

Stenn氏を「時の翁」に例えるCloud Foundry FoundationのCEO、Sam Ramji氏によれば、Stenn氏はかつかつの状態でNTPプロジェクトの運営を続けているという。しかし、開発資金の枯渇直前に資金確保に成功したGnuPGの開発者Werner Koch氏のように、苦境にあえぐオープンソース開発者はStenn氏だけではないとのことだ。 スラッシュドットのコメントを読む | オープンソースセクション | オープンソース | ビジネス | プログラミング | デベロッパー | お金

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