中国:おいしさは互角? それでも炊飯器は日本製
2015年3月13日 11:03
*11:03JST 中国:おいしさは互角? それでも炊飯器は日本製
低・中級品は中国製、高級品は日本製——中国の消費者が小型家電を買う際の使い分けだそうだ。従来の労働集約型産業からの転換や、産業のグレードアップ化を急ぐ中国だが、多くの消費者の持つこうしたイメージを変えさせるには、さらに多くの努力と年月が必要なようだ。北京日報が10日付で伝えた。
春節休暇の“爆買い”の対象のひとつになった日本製の炊飯器と、中国製の炊飯器とでどちらがおいしいご飯が炊けるか——という実験をこのほど中国の中央テレビが、10人の試食者を集めて行った。製品はともに4000人民元(約76000円)の中クラス機種が使われた。その結果、「中国の炊飯器の方がおいしい」と答えた人が5人、「日本」と答えた人が3人、「変わらない」が2人だった。栄養価の評価では中国の炊飯器で炊いたご飯の方がよい指標もあった。おいしさや栄養の面で、日本製と中国製で大きく異なることはないといえる。
しかし、これによって中国人の日本製の炊飯器に対する“爆買い”の意欲が急にしぼむことはない——というのが大方の見方だ。統計によると、2014年の中国国内の電気炊飯器の売り上げは前年比10.9%の132億人民元(2500億円)と伸びたものの、売れ筋の価格帯は100-300人民元(2000-6000円)の低価格に集中している。
ある業界の専門家は「中国は技術面では追いついているもの、ハイエンド製品を作り出す産業チェーンがない」と分析。消費者に中国の高級ブランドを認知させるには、業界全体が価格競争から製品の開発競争に向かうことが不可欠と指摘している。
【亜州IR】《ZN》