NYの視点:今週は米JOLT、欧州債券相場、ギリシャ動向に注目
2015年3月10日 07:01
*07:04JST NYの視点:今週は米JOLT、欧州債券相場、ギリシャ動向に注目
3月3日付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで円の売り持ち高は前週の2012年来の低水準から増加した。前週は日本銀行が量的・質的緩和を実施する前2012年11月以来の低水準を記録。市場の円売り持ちが減少したことは円の下落余地を広げる。
■今週のポイント
欧州中央銀行(ECB)が量的緩和(QE)を開始。欧州債券動向や手元資金の状況が懸念されるギリシャの動向を睨んだ展開となる。また、米労働省が発表する1月のJOLT求人件数で、イエレンFRB議長が注視している労働市場のたるみ(slack)の状態を探る。
●欧州
欧州中央銀行(ECB)は9日から量的緩和(QE)を開始した。各月600億ユーロの債券を購入、少なくとも2016年9月まで継続し総額1.1兆ユーロの購入を目指す。必要とあればそれ以降も継続する方針。関係者によると、域内の中銀はベルギーとフランス、ドイツ、イタリア、スペインの国債を購入した模様。ただ、個々の取引規模は1500万−5000万ユーロと、全体規模に対して少量にとどまっており、品薄への懸念はぬぐいきれない。
●米国
10日:1月JOLT求人:予想502.8万件と、昨年12月と同じく2001年来の高水準を維持
1月に続き非常に強い雇用統計を受けて3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)が金利に向けたフォワードガイダンスで「辛抱強く」との文言を削除し6月または9月の利上げの準備をするとの見方も強まっている。一方、賃金の伸びが予想を下振れたことで、利上げが先送りされるとの見方も根強い。FOMCの材料となるベージュブック(地区連銀経済報告)では雇用や経済が順調に回復していることが示された。ただ、賃金圧力は高技術を要する職種に限られ依然、抑制されたまま。
イエレンFRB議長が注視しているJOLT求人指数で雇用市場のたるみ(slack)状態をさらに見極めていく。18日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)がブラックアウト期間入りするため米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の講演は限られる。
●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
【3/3IMM】
*日本円
ネット・円売り持ち:-52,521(3/3)←円売り持ち:-47,512(2/24)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)
*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-172,389(3/3)←ユーロ売り持ち:-177,736(2/24)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)
*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-26,908(3/3)←ポンド売り持ち:-21,870(2/24)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)
*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-6,062(3/3)←スイスフラン売り持ち:-5,085(2/24)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)
*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-38,863(3/3)←加ドル売り持ち:-36,245(2/24)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)
*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-61,545(3/3)←豪ドル売り持ち:-63,154(2/24)
*NZドル
ネット・NZドル売り持ち:-1,367(3/3)←NZドル売り持ち:-4,330(2/24)
*メキシコペソ
ネット・ペソ売り持ち:-43,407(3/3)←ペソ売り持ち:-48,344(2/24)(直近買い持ち高最高:08年2/29+125,000)《KO》