宅配クリーニングのトラブル、過去最高 「紛失」「高額を請求された」など急増
2015年3月8日 18:23
インターネットを利用した「宅配型」のクリーニングサービスで、消費者トラブルが増えている。国民生活センターが5日に公表したデータによれば、ネット宅配型クリーニングの相談は増加傾向。2009年度は17件だったのに対し、2014年度は156件と9倍以上に増えた。今年度の相談件数は、すでに前年度の約3倍に達している。
総務省統計局の「家計調査」をみると、全世帯における1ヶ月あたりのクリーニング費用は年々減少している。そんな中でも、ネット宅配型のクリーニングは成長が著しい。忙しい会社員や主婦などをターゲットに、ここ数年で会員数を大幅に増やした企業も目立つ。新規参入も多く、競争は激しい。
一方、消費者と事業者が直接対面しないために生じるトラブルも増えている。国民生活センターには、「クリーニングとその後の長期保管を依頼し、支払いも済ませた後、引っ越したので送付先の変更を連絡したが、事業者から『そもそも衣類を受け取っていない』と言われ、紛失された」とか、「紛失事故で問い合わせたところ、録音テープでネットに問い合わせるように言われたのでネットで問い合わせたが、連絡が来ない」といった紛失トラブルが多く寄せられている。「ワンピースのクリーニングを依頼したつもりが、パーティードレスだと判断され5倍以上の金額の請求をしてきた。キャンセルを申し出ても応じない」といった価格トラブルも目立つ。
他にも「2~3週間で返却と言われたが戻って来ないため連絡したところ、半年かかるというので早急に対応するよう依頼したが、戻ってきたダウンジャケットの袖口の汚れが落ちていなかった。苦情を言ったが対応しない」とか、「クリーニング事故について、自社の規約で補償上限額が1万円と言われた」など、過失の賠償に応じないトラブルも多いようだ。
国民生活センターでは、「宅配型のクリーニングは、店舗型とは違う部分があることを認識したうえで利用してほしい」と注意を呼びかけている。利用する際には、契約内容や事業者の連絡先、賠償基準の内容などを十分確認することが重要だ。クリーニング方法やしみ抜きの箇所などを、事前にできる限り事業者と情報共有しておくことも、トラブル防止につながるという。(編集担当:北条かや)