【中国の視点】露政府要人ら「賃金カット」実施、景気後退は来年まで継続も

2015年3月4日 08:08


*08:09JST 【中国の視点】露政府要人ら「賃金カット」実施、景気後退は来年まで継続も
景気後退の長期化観測や財政悪化に備えて積み立ててきた「準備基金」の急速減少を受け、ロシアのプーチン大統領を含む政府要人らが10%の賃金カットを実施すると報じられた。政府の発表によると、首相や上・下院議長、防衛相、外相などが対象になるという。

一方、政府は賃金カットの実施理由について、明確にしなかった。これにより、プーチン大統領やメドベージャフ首相の年収は、それぞれ現在の367万ルーブル(約700万円)、426万ルーブルから約330万ルーブル、約383万ルーブルまで低下する見通しだ。

中国メディアは、原油価格が最近やや回復しているものの、1バレル=100米ドルの相場まで回復するには長い時間を要するとの見方を示した。ウクライナ問題で欧米の対露制裁を継続しており、厳しいロシアの台所事情が当面継続すると指摘した。

また、モルガン・スタンレー証券(MS)も最新リポートで、15年、16年のロシアの成長予想をそれぞれ従来の-1.7%、+0.8%から-5.6%、-2.5%に下方修正した。今回の危機が2009年(ルーブル・原油の同時安)より深刻だとの見方を示し、ロシアの景気後退が来年まで継続すると予測した。

ロイターの予想では、ロシアの準備基金が現在850億米ドルまで低下している。一方、ロシア政府は今年、危機の緊急対応資金として準備基金から500億米ドルを拠出する計画。予定通りなら準備基金は年内で半分以上減少する見通しだ。《ZN》

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