中国:国営TV元女性記者製作の「環境動画」話題に、再生回数1億突破

2015年3月3日 10:38


*10:38JST 中国:国営TV元女性記者製作の「環境動画」話題に、再生回数1億突破
中国中央電視台(CCTV)の元女性記者が自ら制作したドキュメンタリー動画が話題になっている。大気汚染の問題に踏み込んだ同動画は、元記者の影響力の大きさもあって1億回を超える再生回数を記録した。環境問題への取り組みが急務になっていることが改めて認識されたことで、足元の本土株式市場では、環境保護関連セクターに物色の矛先が向かっている。
話題の元記者は柴静氏。“中央電視台の女神”と称されていたが、昨年初めに突然退社した。その後、ほぼ1年経った2月28日、100万人民元(約1909万円)で自ら制作した「ドームの下」と題するドキュメンタリー動画をインターネット上で公開した。その内容は、大気汚染に見舞われた様子など。退社の理由にも言及し、「妊娠期間中に子供が良性の腫瘍を患ったと診断され、子育てに専念するため」と語り、大気汚染による影響が及んだ可能性を示唆した。その再生回数は1億1万回を記録し、多くの人の目に触れた格好だ。
このドキュメンタリーは、柴氏の知名度の高さのほか、大気汚染が中国にとって大きな課題になっていることを改めて露呈。近く開催する全国人民代表大会(全人代)でも、重要議題の一つになる見通しだ。
こうしたなか、環境問題に対する政府の取り組みが加速するとの見方が広がり、2日の本土マーケットでは環境保護関連株が大幅に上昇した。海通証券が顧客を対象に実施した調査でも、インターネットに続くマーケットの新たな注目テーマとして、72%が環境問題と回答。環境保護に向けた対応は、趨勢的な流れとして引き続き注目されそうだ。

【亜州IR】《ZN》

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