東北への進出企業は1万5611社 製造業が3割占める=東京商工リサーチ
2015年2月27日 15:30
東京商工リサーチは、東日本大震災発生から4年後の東北地区への企業の進出状況を調査し、26日にその結果を発表した。それによると、東北6県以外に本社を置き、東北6県に支店、営業所、工場などの事業所を設置した企業は1万5,611社で、進出企業の東北6県の事業所総数は4万700件だった。前回調査より進出企業数で2,058社(15.1%増)、事業所数で4,645件(12.8%増)増加した。
進出企業の地区別トップは関東で1万1,111社(構成比71.1%)、事業所数も3万320件(同74.4%)と、社数・事業所数ともに他地区を圧倒した。県別事業所数では宮城県が1万6,262件(同39.9%)で前回調査から2,345件(16.8%増)増加した。東北でも経済基盤の中心である仙台市への事業所進出を主体に、宮城県内だけで東北6県に進出する企業の全事業所の4割を占めた。
進出企業の産業別では、最多が製造業の4,636社(構成比29.7%)、次いでサービス業他3,212社(同20.6%)、卸売業3,196社(同20.5%)の順だった。東北地区は自動車、半導体などの工場集積地で、協力企業を含め製造業が多く集まり、全産業の3割を占めた。サービス業他は非営利団体(199社で2011年比123.5%増)や、労働者派遣業(198社で同33.7%増)の増加が目立ち、一方、卸売業は産業機器、電気機器、建築材料卸売業が上位を占めた。
2012年7月にトヨタ自動車の系列部品メーカーが合併して新会社を発足し、宮城県内に大型工場を新設。復興支援に積極的に取り組むなど、製造業が牽引して全産業で事業所数が2011年より増加した。2011年比で増加率トップは建設業の48.5%増(1,555社で2011年比508社増)で、道路建設や各種インフラ整備に向けた復興関連工事が建設業の事業所進出を後押ししたと分析している。