日本の広告費、3年連続増加、「インターネット広告」は初の1兆円超え

2015年2月26日 10:34

 電通は24日、2014年の「日本の広告費」についてまとめた。日本の総広告費は6兆1522億円で、前年比102.9%と増加。消費税率引き上げの影響はあったものの、通期では3年連続で前年実績を上回った。

 媒体別では、「新聞広告費」(前年比98.2%)が減少する一方、「雑誌広告費」(同100.0%)は横ばい、「ラジオ広告費」(同102.3%)、「テレビメディア広告費」(前年比102.8%)は増加した。新聞・雑誌・ラジオ・テレビを合わせた「マスコミ四媒体」の広告費は前年比101.6%と、手堅く成長。DMやフリーペーパーなどの「プロモーションメディア広告費」(同100.8%)も3年連続で前年を上回り、全体の押し上げに寄与した。

 伸びが目立つのは「インターネット広告費」(同112.1%)だ。スマートフォン・動画広告・新しいアドテクノロジーを利用した広告が伸び、初の1兆円超え市場となった。中でも「枠売り広告」は、自社のブランディングを目的とした大型広告が広まり、スマホ広告の活用、キュレーションメディアなど新しいメディアの出現もあり、前年を上回った。広告主の「マーケティング需要の細分化」に対応する動きも加速。ジャンルを特化した各種専門サイトの活用が拡大し、従来型のタイアップに加え、「コンテンツマーケティング」(自社サイトやSNSを活用し、潜在的な顧客に優良なコンテンツを継続的に届ける手法)や、ネイティブ広告などのキーワードも根付き始めている。

 全体的に好調な媒体が多い中、「新聞」は低調だった。消費税率引き上げ前には“駆け込み需要”で大きく伸びたが、4月以降は景気の落ち込みから回復しないまま推移。ソチオリンピックや衆議院選挙などプラス要因もあったが、通年では前年実績を下回った。新聞の発行部数は減少を続けており、苦戦が続く。そんな中でも新聞への出稿を増やした業種は、腕時計など「精密機器・事務用品」、B to B広告が好調だった「エネルギー・素材・機械」、「薬品・医療用品」、通販タイプの健康食品や、健康飲料など。一方「ファッション・アクセサリー」「情報・通信」は低下した。(編集担当:北条かや)

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