原油安で、物価2%目標は後ずれも 日銀、政策決定会合の議事要旨を公表
2015年2月24日 19:16
日銀は23日、1月20、21日に開かれた政策決定会合の議事要旨を公表した。それによると、政府・日銀が経済政策の目標として掲げている「物価上昇率2%」の達成について、3人の委員が2015年度に実現するのは難しいとの見方を示していた。
政策決定会合では、消費者物価指数(生鮮食料品を除く)の2015年度見通しを、昨年10月の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)における前年度比1.7%上昇から、同1.0%上昇に引き下げた。しかし、「15年度を中心とする期間に同2%上昇」とする物価目標は維持した。
多くの委員は、「需給ギャップや中長期的な予想物価上昇率から見た物価の基調的な動きに変化は生じていない」とした。また、原油価格下落の影響に関しては「いずれ剥落し、消費者物価は前年比伸び率を高める」と述べた。そして「原油価格が現状維持程度の水準から先行き緩やかに上昇するとの前提に立てば、物価目標を達成する可能性は高い」と判断した。
これに対して、1人の委員は、「円安にもかかわらず消費者物価の前年比プラス幅がゼロ%台前半にとどまっており、先行き2%台を実現することは難しい」との見方を示した。別の委員は、「原油価格の下落などから、2016年度までの期間を通じて物価見通しは下ぶれており、消費者物価は、期間中に2%に近づくにとどまる」との判断を示した。さらに別の委員は、「先行きの物価は委員の中央値よりも低いとみており、2015年度を中心とする期間に2%に達するのは難しい」との見方を示した。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)