年収に占める教育費、低年収世帯ほど負担重く 400万円未満では4割近くに
2015年2月22日 20:32
日本政策金融公庫は20日、同社が実施した「教育費負担の実態調査結果」(平成26年度)の結果を発表した。子供全員にかかる在学費用の合計は、年収400万円未満の世帯では収入の4割を占めるなど、重い教育費負担の現実を浮き彫りにした。
この調査は昨年11月22日~12月2日までの期間、25歳以上64歳以下の男女、かつ、高校生以上の子供を持つ保護者を対象に、インターネットによるアンケート調査で行われた。有効回答数は4,700人だった。
主な調査結果は以下の通り。
■1)自宅外通学の場合の平均支出
高校から大学卒業までに必要な費用(入在学費用、仕送り額及び自宅外通学開始費用の合計)は、約1,485万円 。高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用は、子供1人当たり880万円となっている。自宅外通学者(1人)への年間仕送り額は平均140万円となり、大学4年間で 560万円。さらに、自宅外通学を始めるための費用として45万円が必要となる。自宅外通学者の多い地方ほど、負担感は大きい。
■2)年収400万円未満の世帯の教育費の負担
世帯年収に占める在学費用の割合は平均17%だが、年収が低い世帯ほど負担は重くなり、「200万円以上400万円未満」の層では、年収の約4割を教育費が占めている。子供の在学先別に世帯年収を比較すると、年収差は「高専・専修・各種学校」と「国公立大学」との間で、最大179万円となっている。
教育費のために節約している支出は、年収が低い世帯ほど「食費」「衣類の購入費」と回答した割合が高くなっている。
■3)留学に前向きな世帯は多いものの、費用が障害に
子供を「留学させたい」又は「条件が合えば留学させてもよい」と回答した割合は、全体の59.4%を占めている。
「留学させることはできない」と考える世帯が、子供を留学させるうえで障害と感じることは、「留学費用の負担」が78.0%と最多となっており、留学の検討にあたっては、留学費用が障害となっていることが伺える。(記事:町田光・記事一覧を見る)