2014年の倒産企業の平均寿命は23.5年 4年ぶりに平均寿命短縮
2015年2月21日 20:06
東京商工リサーチは、2014年「倒産企業の平均寿命」の調査を実施し、9日、その結果を発表した。それによると、2014年の倒産企業の平均寿命は23.5年で、4年ぶりに平均寿命が短くなった。
この調査は、東京商工リサーチの集計した2014年の企業倒産、9,731件(負債1,000万円以上)のうち、詳細な創業年月が判明しない個人企業を除く、8,642件(構成比88.8%)を対象に分析した。それによると、2014年に倒産した業歴30年以上の老舗企業は2,647件で、前年(3,051件)より404件減少した。倒産件数(8,642件)に占める割合は30.6%と、前年より1.0ポイント低下し、4年ぶりに構成比が前年を下回った。一方、業歴10年未満は2,062件(前年2,242件)で、構成比は23.8%と3年ぶりに上昇した。
都道府県別の老舗企業の倒産構成比トップは、徳島県の50.0%だった。前年から19.7ポイント上昇し、初めてトップとなった。次いで、新潟県(構成比48.8%)、山梨県(同48.0%)、長崎県(同47.6%)、長野県(同47.3%)と続く。構成比50%以上は徳島県のみ(前年4県)、同40%以上は18県(同12県)だった。地区別では、四国(同44.3%)が前年より5.4ポイント上昇し、2012年以来、2年ぶりにトップとなった。
2014年の企業倒産件数は、6年連続で前年を下回り、24年ぶりに1万件を割った。しかし、円安の進行、原材料・仕入価格の高騰、人手不足など中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい。このため、業歴10年未満で事業を断念せざるを得なくなるケースも見られ、平均寿命を押し下げる格好となった。
倒産件数に占める老舗企業の構成比が依然として30%台が続いている背景には、倒産した老舗企業はバブル経済以前に設立されたことが1つの要因にあげられる。バブル期に不動産や証券、設備などに投資した企業も多く、バブル崩壊で多額の借入金が財務を圧迫し、経営改善の遅れから業績低迷が続き、近年も業績を回復できないまま倒産に至っているとみられるとしている。
一方、業歴10年未満は2,062件(構成比23.8%)で、前年より0.6ポイント上昇し、構成比はここ15年間で2000年に次ぐ高さとなった。(編集担当:慶尾六郎)