大和総研、15年度GDP見通しを1.9%増に上方修正 景気は「緩やかな回復軌道に」

2015年2月20日 17:58

 大和総研は20日、四半期ごとに改訂している日本経済予測を発表した。今回は、184回目の予測で、政府の2014年10-12月期GDP(国内総生産)の一次速報を受けて改訂した。それによると、実質GDP予想は2014年度が前年度比0.9%減(前回0.5%減)、2015年度は同1.9%増(前回1.8%増)、今回新たに予測した2016年度は同1.8%増となっている。

 2014年度見通しを下方修正する一方、2015度は上方修正した。日本経済は2014年1月をピークに景気後退局面入りしたが、その期間は同年8月までの短期であり、今後、アベノミクスによる経済の好循環が継続し、米国向け輸出の持ち直しなどから、景気は緩やかな回復軌道をたどると予測している。

 今回の予測では、原油安など3つの論点を考察した。2014年夏場以降の急激な原油価格の下落は、家計、企業の双方にメリットをもたらし、景気拡大を後押しすると判断している。企業の設備投資に関しては、過去の円高時代の行き過ぎた海外設備投資は、円安によって、国内回帰を促すとみられている。ユーロ圏経済に関しては、金融政策を一本化する一方で、財政統合が行われていないという構造的欠陥が、今後警戒すべき点とされている。

 日銀の金融政策では、「物価上昇率2%」の目標達成は困難で、2015年秋口にも追加的金融緩和に踏み切ると指摘、場合によっては時期が大幅に前倒しとなる可能性があると見ている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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