三菱電機、従来技術では困難だった車内の非定常雑音を大幅に除去する技術を開発
2015年2月18日 12:10
三菱電機は17日、カーナビゲーションなどに搭載されているハンズフリー通話の雑音による音声通話品質の劣化を大幅に改善する雑音除去技術を開発したと発表した。2018年ごろに車載機器への搭載を目指すという。さらに、雑音の多い工場の現場やエレベーター内での音声通話への適用も検討される。
同社は、雑音下での音声認識の世界コンテスト「CHiME チャレンジ 2013」で世界1位の成績を納めるなどの実績があり、その技術をもとに今回、定常雑音に加えて非定常雑音を除去できる今回の「雑音除去技術」を開発した。
車内でのハンズフリー通話は、車の走行などで発生する走行音、エアコン音などの定常雑音を除去する技術は実用化され、すでに車に搭載されている。しかし、ウインカー音、ワイパー音、対向車の走行音などのダイナミックに変動する非定常雑音は、これまで有効な雑音除去技術はなくクリアで快適な通話ができていなかった。
今回、開発された技術では、従来除去することが困難であったウインカーやワイパーの作動音などの非定常雑音を含む雑音を96%取り除き、聞き取りやすい音声通話の実現する。従来方式の除去技術では、雑音は78%しか取り除けていなかった。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る)