ドラゴン補給船運用5号機、地球に帰還

2015年2月12日 11:17

 先月、国際宇宙ステーションへ補給物資を送り届けたスペースX社のドラゴン補給船運用5号機(CRS-5)が2月11日、ステーションから分離され、地球に帰還した。米航空宇宙局(NASA)との契約による国際宇宙ステーションへの商業補給ミッションは今回で5回目となった。また4月には6回目のミッションに挑む。

 ドラゴンCRS-5は日本時間2015年2月11日4時10分にステーションを出航した。その後単独飛行をし、8時93分に軌道離脱噴射を行い、大気圏に再突入した。そして9時44分にカリフォーニア州の南西沖約400kmの海上に着水した。

 船内には、ステーションでの実験で生まれた成果物など、約1,678kgもの物資が搭載されている。ドラゴンCRS-5はこの後、カリフォーニア州ロサンジェルスのロング・ビーチの港まで船で輸送され、最終的にスペースX社の施設に送られる予定となっている。また船内の物資の一部はNASAへ引き渡される。

 ドラゴン補給船は、スペースX社が開発した無人の補給船で、これまでに7機が打ち上げられている。最初の1号機は宇宙空間を飛行し、地球に帰還する能力を試すための試験機として、あとの6機が国際宇宙ステーションに送られており、また3号機からはNASAとの契約の下で、商業輸送ミッションを担っている。直径3.6m、全高2.9mの円錐台形状をしており、最大で約6,000kgの物資を宇宙へ運び、また約3,000kgの物資を宇宙から地球に持ち帰ることができる。また、人間が乗れるようにしたドラゴンV2と呼ばれる宇宙船の開発も行われており、2017年ごろに初打ち上げが実施される予定となっている。

 ドラゴンCRS-5今年1月10日、ファルコン9ロケットに搭載され、フロリダ州にあるケープ・カナヴェラル空軍ステーションのSLC-41から打ち上げられた。そして約2日後の1月12日に国際宇宙ステーションへと到着し、滞在している宇宙飛行士らによって、物資や観測機器などの搬出作業が行われた。

 スペースX社とNASAとの契約では、2016年までに全12回の補給ミッションを行う予定となっており、今回はその5回目となった。次回、6回目のミッションは、現時点で4月8日に予定されている。

■Dragon Splashes Down Ending SpaceX Mission | Space Station
https://blogs.nasa.gov/spacestation/2015/02/10/dragon-splashes-down-ending-spacex-mission/

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