JAXA、金星探査機「あかつき」の観測計画を発表

2015年2月9日 12:18

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、金星探査機「あかつき」を冬期に金星周回軌道へ投入するための計画および観測計画を策定したと発表した。

 金星探査機「あかつき」は、2010年12月の金星周回軌道への投入失敗後、2015年冬期の金星会合の機会に金星周回軌道へ投入する計画の詳細検討を行ってきた。金星周回軌道に投入後、リモートセンシングによって地球の双子星と言われる金星の大気を観測する予定である。大気循環のメカニズムの解明や、地球との比較によって「惑星気象学」を発展させることが期待されるとしている。

 金星周回軌道への再投入計画は、投入予定日は12月7日、観測計画は、金星を周回する周期8~9日の楕円軌道上から、複数の観測波長で次の観測を行うことを予定している。

 ①金星から10金星半径程度よりも離れているときには、金星の全体像を連続的に観測し、雲や大気深部、地表面の状態を把握する。②金星から10金星半径程度よりも近いときには、雲対流や微細な波動の分布とその変動を明らかにするためにクローズアップ観測を行う。③金星に最も近づく付近では、雲や大気の層構造を横方向から観測する。④「あかつき」が日陰に入るときには雷と大気光を観測する。⑤「あかつき」から金星の大気を貫く電波を発信し、それを地上で受信することで、大気の層構造とその変動をとらえる観測を行う。

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