資産運用は、余裕資金ではじめるもの?
2015年2月6日 18:18
*18:19JST 資産運用は、余裕資金ではじめるもの?
フィスコアナリスト、小林あやによる「ゼロからはじめる資産運用の基礎知識」-3
前回、このシリーズの第2回では、資産運用とギャンブルとの違いについてお話しましたが、今回は資産運用をはじめるときの「資金」がテーマです。
資産運用について巷で言われることの多くに、「資産運用は余裕資金で」という、キャッチフレーズのような文言があります。完全に否定するわけではありませんが、一種のズルさを感じてしまうのは、私だけでしょうか。生活資金で資産運用するのが良くないことは当然です。失敗した時、生活が立ち行かなくなりますからね。でも、よくあるこんな会話を耳にした時に、ふと疑問を感じました。
Aさん:「資産運用に失敗しちゃったんだけど…」
Bさん:「だから、資産運用は無くなってもいいお金、余裕資金でしかやっちゃいけないって、言ったじゃないですか!」
「無くなってもいいお金」? お金を殖やそうとしているのに、無くしても良いんですか?? 何かヘンな話です。また、「余裕資金」でという言葉も、余裕資金があるなら、そもそも資産運用なんてする必要はないのではないでしょうか(それを殖やしたい、という場合を除いて)。
揚げ足を取るつもりではありませんが、「無くなってもいいお金」というのは、失敗した時からの「言い訳」を既に最初からしているようなものです。もちろん、リスク管理の面から、失敗時について考えておくことはとても重要です。でも、そのための「言い訳」を用意しておくことは必要ではありません。皆さんも、知らず知らずのうちにそんな言い訳で失敗から逃げていませんか。もしくは、失敗が前提になっているから、本当に投資に成功することができないのかもしれません。
資産運用は余裕資金ではじめるのではなく、余裕資金を作るためにはじめるものです。
余裕資金で資産運用をはじめてはいけない、というわけではありません。余裕資金ができるまで待っている必要はない、という意味です。生活資金や数ヶ月分のたくわえを用意したら、元手を作らなくてもまずは資産運用をはじめてみましょう(1万円以下で資産運用できる商品もあります!)。
このシリーズの第1回目でもお伝えしましたが、運用を成功させるには、何よりも時間が必要です。一日でも早いスタートで運用期間を長くとりましょう。どんな経済書を読むよりも、知識人の講演を聞くよりも、実際に金融商品の売り買いをすることが一番の勉強になります。退職金などの本当の余裕資金でいきなり運用をはじめて失敗するのではなく、少額から投資をして少額の失敗を積み重ねつつ、少額でもお金を殖やすことにチャレンジするのが良いでしょう。
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