三菱電機と立命館、LSIごとに固有IDを生成して暗号化に利用するセキュリティー技術を開発
2015年2月6日 10:36
三菱電機と立命館大学は5日、あらゆる機器がつながる IoT(Internet of Things:モノのインターネット)時代に向け、製造段階で生じるLSIの個体差を利用して、機器の秘匿と認証を行うセキュリティー技術を開発したと発表した。
この技術は、同じ機能を持つLSIの製造段階で生じる個体差を活用し、LSIごとに指紋のような固有IDを生成する技術を開発した。回路が動作する間しか固有IDが現れないため、IDがチップのメモリ内部には残らず、IDの解析が困難となる。また、プログラムを指定のLSIの固有IDでしか復号できないように暗号化することで、そのLSIを持つ機器でしか使えなくし、機器の安全性を確保した。特定の固有IDを持つ機器同士をつなげるように設定も可能である。
また、固有IDの生成、秘匿と認証に必要な暗号機能を小さな回路面積で内蔵できるため、個別実装に比べて回路の大きさを約3分の1に削減可能である。複数の製造プロセスでこの技術を適用したLSIの試作を実施し、安定的にIDの生成が可能だ。また、モジュール化により、一般的なLSIの設計フローで技術適用も可能となっている。
2015年度以降を目標に、同技術を三菱電機の製品に適用予定である。