過去最高を記録した訪日外国人 円安で広がる買い物需要

2015年1月30日 11:27

 近年都内では外国人観光客がとにかく目立つ。銀座、秋葉原、皇居などで、日本人よりも外国人の方が多いのではないかと感じることも多い。2003年のVisit Japan事業からスタートした、官民挙げての外国人観光客誘致事業は着実に成果を上げているようだ。14年には過去最高となる、1,341万人以上の外国人が日本を訪れている。これは13年に続いて、2年連続の記録更新となった。

 この背景には政府によるキャンペーンやビザの大幅緩和、消費税免税制度の拡充などの政策、またアジア地域の経済成長などの要因があると考えられているが、もう一つ大きな要因が円安である。近年の円安により日本での観光や買い物がかなりリーズナブルになってきた。それにつれて、旅行客一人あたりの消費額も伸びており、14年には一人あたり15万円以上消費している。これは13年と比較して、10パーセントも多い金額である。

 この消費の内訳で、最も多いのが買い物代だ。13年まで、内訳で首位だったのが宿泊費だったが、14年に初めて買い物費が宿泊費を抜いて一位となった。と同時に、日本に旅行する動機も、買い物が昨年初めて一位となった。買い物は特に香港や台湾からの旅行客に人気で、彼らに特に人気なのがカメラや時計、次に家電製品、三位が服や鞄、靴となっている。高級品が中心となって売れているようだが、これは単価が高い方が円安の効果が高いからだろうか。そのほかには健康食品や化粧品、粉ミルクなどが人気らしい。ヨーロッパからの観光客にはアニメのキャラクター商品なども人気となっているらしい。

 円安に沸く日本の観光事業、太田国土交通相は15年も過去最高を更新すると強気の発言だが、うかうかとしてはいられないかもしれない。現在の円安には弊害もあり、行き過ぎた円安には非難の声も上がっている。またヨーロッパでも量的緩和が始まるなど、円安需要に頼ってもいられないのが現状ではないだろうか。そういった中で、買い物に訪れている外国人の気持ちをつかむ何かを提供していくことが今後大切になるだろう。(編集担当:久保田雄城)

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