ヤクルト、ビフィズス菌を含む乳酸菌飲料が機能性消化管障害を改善させることを確認
2015年1月30日 15:35
ヤクルトは29日、ビフィズス菌を含む乳酸菌飲料の継続摂取が機能性消化管障害患者の消化器および心理症状を改善することを確認したと発表した。
機能性消化管障害は、炎症などの器質的な異常がないにもかかわらず、胃がもたれる、胃が痛む、下痢や便秘を繰り返すなどの不快な症状が表れる疾患である。2013年には、機能性消化管障害の中でも胃に不快な症状が表れる「機能性ディスペプシア」が保険病名を獲得するなど、日本においても関心が高まっている。
同疾患は生命への影響はないものの、生活の質(QOL:Quality of Life)の著しい低下を招き、重症者では仕事にも支障をきたすことから、社会的に問題となっている。
ヤクルトでは、東邦大学医療センター大森病院総合診療・急病センターセンター長、瓜田純久教授らとの共同研究として、機能性消化管障害の患者を対象に、ビフィズス菌「ビフィドバクテリウム ビフィダムYIT 10347」を含む乳酸菌飲料の飲用試験を実施した。その結果、機能性消化管障害患者の消化器症状および心理症状を改善する効果が確認された。
同試験において、消化管自覚症状に加え、ストレスマーカーや心理自覚症状の改善が認められたことは、生物にとって重要な器官である脳と腸がお互いに密接に影響を及ぼしあうことを示す「脳腸相関」が伺える結果と考えられる。
今回得られた結果から、ビフィズス菌「ビフィドバクテリウム ビフィダムYIT 10347」を含む乳酸菌飲料は、心理ストレスであるイライラ感を軽減し、胃腸の不快感を改善することで、機能性消化管障害患者のQOLの向上に役立つものと期待される。(記事:宮野 浩・記事一覧を見る)