【中国の視点】ギリシャ:港湾売却計画中止で反緊縮継続、EUなどとの駆け引きに注目
2015年1月29日 08:09
*08:09JST 【中国の視点】ギリシャ:港湾売却計画中止で反緊縮継続、EUなどとの駆け引きに注目
ギリシャのチプラス新首相は27日、同国最大の港湾ピレウス港の売却計画を中止すると発表した。緊縮財政の一環として同港湾の管理会社ピレウス・ポート・オーソリティの株式67%が中国の国営企業、遠洋運輸集団(COSCO)に売却される予定だった。新政権の樹立に伴い、急遽中止された。
新首相が反緊縮派の重鎮らを起用し、選挙公約を果たそうとしている。一方、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)が、同国への支援条件として構造改革と財政再建などの継続を要求している。
中国の専門家は、EUなどがこれまでの条件を緩めなければ、ギリシャがユーロ脱落する道を選ぶ可能性を否定できないと指摘。ただ、ギリシャがユーロから脱落すれば、同国の経済が深刻な状態に陥ることが避けられない上、その痛みが緊縮財政の数倍になると警告した。
また、専門家は、財源が確保されていない中、反緊縮を到底実行できないとも指摘。反緊縮派がEUなどからの支援を国内の公務員の給与や、最低給与の引き上げなどに回す計画で、今後もEUなどとの駆け引きに注目する必要がある。《ZN》