ダイキン、小型惑星探査機「はやぶさ」の省電力制御技術をエアコンに応用

2015年1月27日 12:08

 ダイキンは26日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公開している小惑星探査機「はやぶさ」の技術を応用した電力ピークカット制御技術を応用して省電力をエアコンで実現する研究を開始したと発表した。

 この研究は、「はやぶさ」が宇宙空間で限られた電力を有効利用するために開発された技術をもとに、それぞれの機器が独立して並列にピーク電力を下げる制御法を、家庭内の複数の電気機器の消費電力ピークカット制御に応用するものである。

 省電力は、家庭内の照明や冷蔵庫、あるいはエアコンなどの機器に優先順位をつけ、電力会社の電気供給量や全体の電力消費量に応じて、家庭内全体で電力消費を抑えられる制御信号を一斉送信して電力使用量の削減を実現する。

 世界的にも新興国の経済成長に伴い電力消費は増大し、電力供給が不足する状況が各国で発生している。今回の技術は、大掛かりな追加投資をせずに短期間で効果を出すことができるため、通信インフラに課題がある新興国においても、使用電力量の低減や電力の安定供給が期待できるという。

 なお、同社はこの技術を搭載したエアコンのテストデモンストレーションを、東京ビッグサイトで28日から30日に開催される「新電力EXPO」で行う。

 JAXAは航空宇宙分野における研究開発成果の民間転用を進めており、多くの企業や団体に採用を促している。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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