2014年の貿易赤字は過去最大の12兆7800億円 円安、発電燃料などが要因
2015年1月26日 18:20
財務省が26日発表した2014年(平成26年)の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、12兆7813億円の赤字と、比較可能な1979年(昭和54年)以降最大となった。貿易収支の赤字は4年連続である。東日本大震災での東電福島第一原発事故による原発の運転停止で、液化天然ガス等の発電用燃料の輸入が増加したこと、さらに円安による輸入物資の価格上昇などが要因である。同時に発表された昨年12月の貿易収支は6,607億円の赤字となった。月間の赤字は30カ月連続である。
2014年の貿易収支のうち、輸出は73兆1,052億円で前年比4.8%増と、2年連続増加した。自動車が同4.9%増加したほか、科学光学機器が同9.6%増、金属加工機械が同17.7%増となった。
輸入は、85兆8,865億円で同5.7%増となり、過去最大の輸入額となった。液化天然ガスが同11.2%、半導体電子部品が同17.4%、周辺機器を含むコンピュータ類が同10.1%とそれぞれ増加した。原粗油は、原油安の影響もあり、同2.6%減少した。
地域別では、米国向け収支が6兆1077億円の黒字で黒字幅は同0.1%減少した。EU向けは5721億円の赤字で、3年連続の赤字である。アジア向けは、9234億円の黒字で、黒字幅は同51.3%減少した。このうち中国向けは、5兆7862億円の過去最大の赤字となった。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)