極めて難しい立場のヨルダン政府の事情 佐藤正久氏
2015年1月26日 11:53
シリアでの邦人拘束事件で、拘束しているとみられる擬似国家「イスラム国」がヨルダン政府に拘束されている仲間(テロリストのサージダ)の釈放を求めていることに、佐藤正久元防衛大臣政務官は「ヨルダン政府も非常に厳しい立場だ」と複雑な立場に置かれていることを説明している。
佐藤氏はイスラム国にヨルダン空軍のムアーズ中尉が捕虜になっており、サージダと邦人の交換釈放がなされる場合「邦人を助ける為にヨルダンで惨劇テロを起こしたサージダを釈放するということは、イスラム国に拘束されているヨルダンのムアーズ中尉とザジーダとの交換釈放の可能性がなくなることも意味する」ばかりでなく「日本からの多額の人道支援を得る代わりに、テロリストを釈放し、自国民を見捨てたとの批判がヨルダン政府になされる可能性もある」と危惧する。
こうした見方を示したうえで「ヨルダン政府にとって、ヨルダン国民の命より日本国民の命を優先することは極めて困難だろう」とみる。
また、ムアーズ中尉について「シリア空爆に参加して捕虜になったムアーズ中尉は米国の特殊部隊が救出を試みたほど、ヨルダンだけでなく欧米でも有名な人物」だそうだ。(編集担当:森高龍二)