【中国の視点】円安に伴う「本国回帰」に温度差、トヨタなどは海外生産継続

2015年1月22日 08:18


*08:22JST 【中国の視点】円安に伴う「本国回帰」に温度差、トヨタなどは海外生産継続
円安進行や中国などの新興国における人件費の上昇を受け、キヤノン<7751>やシャープ<6753>など電機メーカーは一部の生産を日本に戻している。

キャノンの広報部はこのほど、カメラや複合機、医療設備の日本生産割合を現在の40%から60%に引き上げる方針を示した。また、シャープも空気清浄機や冷蔵庫、テレビの一部生産を日本に戻すと発言した。ソニー<6758>は日本国内の生産能力を高めるため、350億円を投入する方針を示した。

一方、トヨタ自<7203>や日産自<7201>など自動車メーカーは生産ラインを日本に回帰させる意向を示していない。また、村田製<6981>も海外の生産比率を4年前の14%から今年3月の30%まで拡大させると発言した。

中国の専門家は、本国回帰における日本企業の温度差について、円安がいつまでも続くという保証がないと指摘。一部の生産拠点を海外に置くことが円高対策の一環であるほか、販売市場に近いところで生産拠点を置くことがコスト・パフォーマンスが良いほか、市場の動向をいち早く取り入れられるためだと強調した。また、日本の少子・高齢化の進行を受け、日本企業にとって日本市場がもはや主戦場でなくなっていると指摘した。《ZN》

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