日銀、15年度の物価見通しを1.0%に下方修正 金融政策は現状維持

2015年1月21日 17:06

 日銀は21日の金融政策決定会合で、昨年10月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で示した2015年度消費者物価見通し1.7%(生鮮食品、消費税増税分を除く)を1.0%に下方修正した。原油価格の大幅下落によって、上昇率が鈍化すると判断された。しかし、景気は「緩やかな回復を続けている」との従来の判断を据え置き、金融政策を現状維持とした。

 展望リポートでは、2014年度の消費者物価見通しを1.2%としていたが、今回0.9%に下方修正した。16年度については、2.1%から2.2%に僅かながら上方修正した。15年度終盤にかけて、原油安の影響が次第に薄まる一方、雇用や賃金の回復から、物価上昇が加速されると見ているためである。

 実質GDP(国内総生産)の伸び率では、展望リポートで2014年度はプラス0.5%とされていたが、今回はマイナス0.5%に、15年度は1.5%から2.1%に変更された。16年度は1.2%から1.6%に修正された。

 金融政策に関しては、マネタリーベースで年間約80兆円相当の増加を見込む現状の政策を維持する一方、金融機関に融資を促す貸し出し支援制度の1年延長や、成長分野に融資した金融機関への低利融資枠を現在の7兆円から10兆円に増やすことなどを決めた。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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