【中国の視点】日銀:スイス国立銀に追随か、金融緩和効果が薄れる

2015年1月20日 08:11


*08:11JST 【中国の視点】日銀:スイス国立銀に追随か、金融緩和効果が薄れる
スイス国立銀行(中央銀行)は15日、自国通貨フランの上昇を抑えるために対ユーロで設けていた為替上限を撤廃すると発表した。スイス中銀のジョルダン総裁は、フラン上限が持続不能で、断続的な市場介入のみで実行可能な政策を続けるのは理にかわなないと判断した」と説明した。

一部の市場関係者は、日本銀行の追加緩和による国債の買入増額が技術的に無理があると指摘。現在のペースで継続した場合、いずれ行き詰まるとの見方を示した。スイス中銀のように、日銀も何らかの行動を取らなければいけないと指摘された。

日銀による大規模な国債購入に伴う長期金利の低下が金融業界の利ザヤ縮小圧力を強めており、一部の保険会社が養老保険などの保険料を2月からの引き上げを検討していると報じられている。また、短期国債のマイナス金利が続いていることを受け、マネー・リザーブ・ファンド(MRF)などの国債運用にも影響が出ている。

日銀は昨年10月に追加金融緩和を決定した際、賛成5、反対4と薄氷の採決となった。一段の国債利回りの低下が金融業界の利益減や財政赤字の拡大につながることなどは考慮されていたが、この時点では金融緩和がもたらす好影響の方が大きいと判断されたためだ。

ただ、中国の専門家は、日銀の金融緩和効果が薄れていると指摘。銀行の利ザヤが縮小している中、国債利回りが一段と低下しても銀行の利下げの余地が限られているとの見方を示した。日銀も出口戦略を模索する段階に直面していると指摘し、スイス中銀の行動が金融政策などに限度があることを示していると強調した。《ZN》

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