「戎天井」気配の波乱含み相場下では新幹線開業を先取りして北陸ローカル株に全国区人気の高まりを期待=浅妻昭治
2015年1月19日 09:51
<マーケットセンサー>
「節分天井」ではなく「戎天井」のようである。昨年と同様に、年初から株価が崩れる相場パターンが警戒されている。震源地は、またしてもEU(欧州連合)だ。ギリシャが、EUから離脱するかどうか1月25日に実施される同国の総選挙まで不透明感が続き、欧州中央銀行(ECB)が、デフレ経済阻止へ向け1月22日開催の理事会で量的緩和策に踏み切るか注目されていたのに、ここにきて突如、スイスフランの急騰・ユーロの急落の追い討ちがあっって、急速な円高も進行したからだ。
スイスフランの急騰は、スイス中央銀行が、為替介入の上限を撤廃し、スイスフラン買いを終了したことが引き金になっており、この問題自体は、スイスフランの為替市場での取引ウエートの小ささから、ECBの量的緩和策と綱引きして一過性の影響にとどまるとの観測が一般的だ。しかし、本当にそうなのか?スイスフラン急騰とともにEUの大手銀行の損失発生が伝えられ、英国の為替ブローカーが経営破たんし、これが、米国市場では、外国為替証拠金(FX)取引業者の取引停止にまで飛び火した。かつて日本のバブル経済の淵源となったスイスフラン債の発行ラッシュ、財テク・ブームを仕掛け、結果的に日本を「失われた20年」の奈落に突き落としたあの「チューリッヒの小鬼たち」が、またまたウラで暗躍しているのではないかと、当時のトラウマが疼きどうしたって身構えざるを得ない。
となると、新年相場早々にあまり目出度くないが、「春はいつ来る?」と自問自答してみたくなる。「梅の花が咲くころ」か「桜の花が咲くころか」かと、相場期待はドンドン先ズレする。「戎天井」がほぼ間違いないとして、「節分底」となるのか、それとも昨年と同様に「彼岸底」となるかという問題である。もちろん主力の輸出関連株より、海外市場の影響が薄い内需株の方が、春の訪れが早いことはいうまでもない。そこで当コラムは今回、この内需株のなかでも今年3月14日に延伸開業する北陸新幹線に乗って春が早期到来することを期待して北陸ローカル株に注目したい。スケールの大きな「チューリッヒの小鬼たち」の話から、知名度の低い地方株への言及とスケールは小さくなって恐縮だが、まさにアベノミクスの「地方創生」であり、開業に向けて関係自治体のキャンペーンも積極化し、テレビの旅行番組でも特集が続いていることなどから、北陸関連銘柄に全国区人気の高まりを先取りする余地は十分にあるはずだ。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)