リクルートHD、豪州の人材派遣会社2社を買収
2015年1月16日 09:51
出版や人材紹介などを手がけるリクルートホールディングス<6098>が2014年10月に東証1部上場して以来、初めてとなる企業買収を発表した。今回リクルートホールディングスが買収を発表したのはオーストラリアの人材派遣会社2社であり、リクルートホールディングスは今後、海外での企業買収を積極的に行っていく方針を示している。
14日、リクルートホールディングスがオーストラリアの人材派遣会社第2位であるチャンドラーマクラウドを289億円で、また同じくオーストラリアの人材派遣会社第5位であるピープルバンクを71億円でそれぞれ買収するとの発表を行った。買収金額は合計で約360億円となる。チャンドラーマクラウド、ピープルバンクの2社ともにオーストラリアにある子会社を通じて発行済み株式100%を取得し、16年3月期以降に連結子会社とする。
リクルートホールディングスはチャンドラーマクラウドとピープルバンクを買収することにより、オーストラリアの人材派遣市場に本格的に参入する。オーストラリアはフルタイム換算の派遣社員数を労働人口で割った人材派遣浸透率が2.9%であり、世界1位のイギリスの3.8%に次いで高い率となっている。このことからもリクルートホールディングスは、オーストラリアの人材派遣市場に対して今後も安定的な成長が期待できるとの見方を示している。
今回リクルートホールディングスが買収を発表したチャンドラーマクラウドは、1959年に設立されたオーストラリアで第2位の人材派遣会社で、14年6月期の売上高は約14億1300万豪ドル(約1300億円)となっている。またピープルバンクは、07年に設立されたオーストラリアで第5位の人材派遣会社で、14円6月期の売上高は5億2200万豪ドル(約490億円)となっている。
リクルートホールディングスとしては、これらオーストラリア人材派遣市場第2位と第5位の2社を買収することにより、今後も安定的な成長が見込める同国の人材派遣市にて基盤を作り、今後も積極的な海外での企業買収を展開していきたい考えだ。(編集担当:滝川幸平)