(中国)SUV市場で自主ブランド快進撃、12月はトップ3独占
2015年1月15日 14:16
*14:16JST (中国)SUV市場で自主ブランド快進撃、12月はトップ3独占
中国自主ブランド車メーカーがスポーツ多目的車(SUV)市場でプレゼンスを一段と増している。2014年12月のSUV販売ランキングでは、上位3位をすべて独占した。乗用車市場全体で外資にシェアを奪われつつある自主ブランド車メーカー。好調なSUV部門がシェア奪還に向けたカンフル剤となるのか——。今年も成り行きが注目される状況という。中国経済網が15日付で伝えた。
12月のSUV販売ランキングは、長城汽車(2333/HK)の「哈弗H6」がトップ。奇瑞汽車の「瑞虎(Tiggo)」、北京汽車の「幻速S3」がこれに続いた。トップ3を自主ブランド勢が独占している。
「哈弗H6」は昨年10月以降、3万台以上の月間販売を維持。販売台数を増やし続け、SUV市場でほぼ独走状態にある。また「瑞虎」はシリーズ展開が奏功。「瑞虎3」と「瑞虎5」を合わせた14年通年販売でも、SUV市場で3位規模に拡大した。一方、北京汽車「幻速S3」の躍進も見逃せない。昨年11月に初めて上位10位入りし、12月に3位へと急速に順位を上げている。
自主ブランド勢の攻勢が強まる中で、外資勢は同市場で軒並み順位を落とした。かつて同市場でトップを走っていた上海大衆汽車(独フォルクスワーゲン系)の「ティグアン」は、12月に1万3500台を売り上げたものの、順位は8位に後退している。日本勢もさえない。かつて同市場で2位の座にあった東風本田(ホンダ系)の「CR-V」は、14年販売で苦戦。一時は月間販売で3位まで回復したものの、「幻速S3」の猛攻を受ける形で、12月は4位に甘んじた。トヨタ「RAV4」と日産「エクストレイル」も以前に第3位につけたこともあったが、12月はそれぞれ7位と9位という結果となっている。
もっとも、中国自主ブランド勢は乗用車市場全体でみれば、苦しい立場を強いられた。自主ブランド勢の14年通年販売は、前年比4.10%増の757万3300台。伸び率は、乗用車全体の6.9%を大きく下回った。乗用車販売市場でのシェアは38.44%に縮小。前年に比べて2.14ポイント低下している。その要因として指摘されるのは、外資勢に比べて見劣りするブランド競争力。好調なSUV部門がこのネックを克服する突破口となりつつあるとの声もある。しかしこの優勢が2015年も続くか否かは、いまのところ不透明だ。
【亜州IR】《ZN》