非正規雇用などの若者、95%が「仕事を辞めたいと思ったことあり」職種ごとに「理由」異なる
2015年1月14日 16:39
アルバイトの採用が困難を極めている。牛丼チェーンのすき家が、「ワンオペ」問題を機にアルバイトの大量退職に見舞われるなど、外食・小売の採用状況は特に厳しい。厚生労働省によると、昨年11月の有効求人倍率(季節調整値)は1.12倍で、前月を0.02ポイント上回った。11月の新規求人を産業別にみると、宿泊業・飲食サービス業(5.9%増)、医療・福祉(4.9%増)、教育・学習支援業(0.4%増)などで増加しており、時給を高く設定しても人が集まらないと嘆く関係者は多い。ようやく採用した人材が、すぐに辞めてしまうという問題も聞かれる。
人材採用を手がけるエン・ジャパンが、非正規雇用などで働く29歳以下の若者を対象にアンケートを実施したところ、「仕事やアルバイトを辞めたいと思ったことがある」との回答が95%を占めた。理由のトップ3は「人間関係」「給与の安さ」「働き方(残業や勤務日数)」だった。
調査はエン・ジャパンが昨年9月~10月にかけて、アルバイト・派遣・正社員の求人情報を検索できる自社サイトの利用者(29歳以下)517人を対象に、ウェブ上で実施。
仕事を辞めたいと思った理由は、職種ごとに違いが見られた。具体的には、オフィスワーク系と医療・介護系は「人間関係」、クリエイティブ系とIT・技術系は「働き方(残業や勤務日数)」、販売・サービス・フード系と軽作業・製造・清掃系は「給与の安さ」、テレマ・テレオペ・コールセンター系は「仕事内容(自分に向いていない)」がトップとなっている。
一方で、「仕事やアルバイトを辞めたいと思ったことがある」という人の73%が、「実際は辞めることなく、踏みとどまったことがある」と回答。その理由は、1位が「次の仕事・アルバイトが決まるまで我慢した」(37%)、2位が「自分で努力して状況を改善した」(31%)となっており、まずは自分自身が、我慢や努力をする傾向が見受けられた。
「次の仕事・アルバイトを探す際に教訓にしたいこと」を尋ねたところ、半数以上が「妥協せずに希望条件に合う仕事を探す」(51%)と回答した。次いで「希望条件の優先順位を変える」(39%)「企業・仕事のことを自分でよく調べる」(36%)となっている。ミスマッチをできるだけなくすよう、企業、求職者、求人サイトの3者それぞれに努力が求められている。(編集担当:北条かや)