GS過疎地で実証試験
2015年1月13日 15:09
*15:09JST GS過疎地で実証試験
経済産業省は、「GS過疎地」と定めているガソリンスタンド(GS)が3カ所以下の市町村で、住民の利便性を図るため、ガソリンを運搬するタンクローリーから自動車に直接給油する方式の導入に向けた検討に入った。
2015年度予算案に給油装置の開発費などとして約1億5000万円を計上し、実証試験を始めるという。
低燃費車の普及に伴いガソリン需要が低迷するなか、経営者の高齢化などに加え13年1月末までに老朽タンクの改修を義務付けた消防法改正が追い打ちとなり、2013年度の全国のGSの休廃業・解散数は前年比3割増の258件と、2期連続で前年度実績を上回った。
「GS過疎地」は全国で270市町村近くに上る。
地元住民や自治体、石油元売りなどが協力して給油所を維持する動きはあり、経産省も運営を支援するなど過疎対策を強化しているが、抜本的な解決策につながっていないのが現状だ。
経産省はガソリンを運搬するタンクローリーを「移動式GS」と位置付け、定期的に巡回させて、広い駐車場などを利用し住民の車に直接給油することなどを想定している。
現状、ガソリンは引火性が強いため、灯油や軽油と異なり、消防法でGS以外での直接給油が原則禁止されている。しかし、米国や英国などではタンクローリーからの直接給油が認められGSの少ない地方で実施されていることから、より安全な装置や仕組みを開発し規制緩和を目指すという。
「GS過疎地」は人口過疎地域であることも多く、車以外の交通手段がない人口過疎地域では給油所は生活を支える重要なインフラなため、安全性と利便性を両立させる開発と法改正が期待される。《YU》